大判例

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徳島地方裁判所川島支部 事件番号不詳 判決

主文

被告会社を

別紙犯罪一覧表記載

第一事実につき罰金七万五千円

第二事実につき罰金二万五千円

第三事実につき罰金二万九千円

第四事実につき罰金八万八千円

第五事実につき罰金二万千円

第六事実につき罰金七万三千円

に各処する。

理由

罪となるべき事実

被告会社は麻植郡川田町字恵下二番地に製造場を有して物品税法所定の紙類の製造及び加工販売等を業とするものであるが、高橋徳夫は被告会社の取締役社長として同会社の製造並びに事務係である中尾幸夫をして同会社の業務に関し昭和二十五年七月一日より同年十二月二十九日までの間同会社が製造した物品税法所定第二種己類六十五号(昭和二十五年十二月法第二八六号に依る改正前は第一種己類七十号)の和紙合計八百二十一連と千七十一枚及び五十九貫二百匁を別紙犯罪一覧表のとおり徳元勝四郎等に代金合計百二十四万九千四百三十二円で移出販売したのに、物品税を逋脱する目的で制規の帳簿にその記載をせず、且つ政府に物品税標準額の申告をしないで、不正にその物品税十二万四千九百三十円を逋脱したものである。

証拠の標目(省略)

法令の適用

昭和二十五年十二月法律第二八六号に依る改正前の物品税法第一条第二条第十八条第一項第二号第二十二条、罰金等臨時措置法第二条第一項

弁護人は物品税法によると、行為者本人の違反行為につき本人たる法人が処罰せられるのは罰金刑のみであつて、罰金刑の公訴時効は刑事訴訟法第二百五十条第五項により三年で完成するのであるから、違反行為の終つた時から既に三年を経過した昭和二十九年十二月二十八日に至つて提起した本件公訴は時効完成後のものであつて、免訴の判決を言渡すべきものであると主張するけれども、

本件の如く所謂両罰規定に因つて法人が罰金刑を科せられその責任を問はれるのは、その行為者が違反行為をしたのに胚胎するものであつて、その責任は行為者本人の責任に当然随伴し、従つて、行為者本人について法規上その責任の存続するものと定められている限り、法人の責任は消滅しないものと解する。

ところで、本件の行為者本人の違反行為は長期十年未満の懲役にあたる罪であるから、刑事訴訟法第二百五十条第四号に依つてその公訴時効期間は五年であつて、従つて被告会社に対する公訴時効は罰金刑しか科せられないけれども、この五年の時効に服すべきものである。然るに本件公訴の提起があつたのは弁護人主張の如く昭和二十九年十二月二十八日であるから、本件違反行為が終つた時より未だ五年を経過せず、まして記録に依ると本件違反につき昭和二十六年十一月十日通告が行はれているので、国税犯則取締法第十五条に依り、この時より時効が進行するのであるから素より本件は公訴時効完成していない。故に弁護人の前記主張は之を排斥せざるを得ない。

それで主文のとおり判決したのである。(昭和三〇年三月五日徳島地方裁判所川島支部)

犯罪一覧表

<省略>

備考

五百枚を一連としこれに満たざるものは枚数で表わす。

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